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前回のセミナーからの続きとなるネットの匿名性について。匿名が売りともいえるSNSが,実は匿名ではないということについて。表現の自由が認められていますが,例外としてプライバシー権・名誉権を侵害するような表現行為はアウトなわけです。ここアメリカでもネット上でも多くのヘイトスピーチが起こり、過去最悪レベルで蔓延していると言われています。残念なことに、匿名性を盾に特定の個人やグループを攻撃する文言は、ソーシャルメディアのそこかしこに蔓延しています。以前にメインスピーカーとして登場していただいた、私と共に活動するベン・メンデス氏は、そういったヘイトに客観的な意見をコメントすることで対抗するグループのメンバーを務めています。

過激なコメントなどには議論で返すのではなく、責任者に通報することで対処することを基本としており、また、あまりにも過激な場合は、法的措置をとることもあるそうです。多くの場合、特にSNSなどへの安易な「匿名性」に甘んじてインターネットで過激な書き込みをしてしまったら、それが表現の自由として守られる範囲を超えてしまった場合,いとも簡単にあなたの「匿名性」のベールは剥ぎ取られて,丸裸にされてしまうのです。

三和一善

過激な意見や中傷をする人物に教育するのではなく、「私たちの目的は、ある特定の意見に対して、さまざまな方法で対抗することができるのだということを示すこと」だといいます。なぜネットに差別や中傷などの書き込みが溢れるのか。それは、ストレスや怒りを溜めている人が多いからなのではないかとベンは考えています。自分自身の問題や身近な問題にしっかり対峙できない人が、インターネットで、他人に怒りをぶつけるためのはけ口としているとの意見です。

私自身も同様の経験をしたことがあるのですが、今私の隣にいる、同僚の 三和氏も、突然身に覚えのない訳のわからない書き込みをされたことがあります。ネット上にある個人の写真を利用して、監禁したとか、強姦、強盗などと書き込まれ、トイレの落書き程度と放置していたのですが、しつこい書き込みがあったために、弁護士を通じて発信者情報開示などを行ったそうです。すると出てきた名前は、会ったこともない見ず知らずの人物によるものであり驚いたことがあるといいます。全ての発信者の特定ができているため、現在対応を検討中とのことですが、面識のない他人がなぜ簡単に、会ったこともない関係のない人のことを書き込むのか?

「匿名性」という防護服を着ているような気持ちで書き込みを行う人もいるようです。でもそれは、一定のプロセスを踏むと、いとも簡単に丸裸になる可能性があることを十分に認識してください。よくある身元バレしないという謳い文句のサイトも含めて、実は全てのネット上の書き込みは、時間はかかるかもしれませんが特定できてしまうのです。ストレスを抱える人たちに、メンデス氏は「結果的に自分の不利益になってしまうような考えではなく、自分自身が、自分の人生や仕事などに満足しているのか自問し、もしも答えがNoであれば、何を変えるべきかを考えることにエネルギーを使って欲しい」とアドバイスをしています。(文:丸山修)

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